- コロナという新たな経験をしている私たちは、新しい時代へ向けて、新しい価値観を持つ事が要求されています。今の子どもたちが大人になる2045年頃にはシンギュラリティというそれまでの価値観を大きく変える技術的特異点をむかえるとも言われています。そんな先行きの不確かな時代でも子どもたちにとって『本当に大切なもの』はいつまでも受け継いでいかなければなりません。
- ポプラでは、こどもの一人ひとりが『自分らしく生きること』を大切にして保育を行っています。最近はとくに世界中で幼児教育の重要性が説かれています。様々なメソッドや経験則に基づいた情報が身近なところで溢れています。2000年にノーベル賞を受賞したJ.ヘックマン氏は「5歳までの環境やしつけがその後の人生を決めるかもしれない。」というセンセーショナルな主張で脚光を浴びました。現在では日本の多くの就学前教育に携わる機関がこの主張の文言だけを捉えて教育プログラムを開発しています。
- しかし、そこには大きな問題があります。多くの新しい教育プログラムは「読み・書き・計算」という目に見える“認知能力(IQ知識)”を高める事を目的に作成されています。これでは日本の学校の中で行われてきたメインストリーム教育の乳幼児版でしかありません。大人に納得させるための就学前教育になってしまっています。しかし、いわゆる「読み書きそろばん」が全く必要ないと言っている訳ではありません。
- 人生の中でこどもがこどもであれる時間は限られています。その中で保育園が出来ることに優先順位をつけた場合にポプラでは非認知能力を育てる事を重要視したというだけの話です。ヘックマン氏はこうも言っています。「乳幼児期には『非認知能力』を高めていく事が重要だ」と。ポプラは、1973年に西区内(九条)で初めてのベビーセンターとして設立しました。当初から乳幼児期にしか経験できないことを積極的に保育に取り入れてきました。そして、昨今いわれるような目に見えない「自己肯定感、やる気、忍耐力、メタ認識、コミュニケーション能力、心のレジリエンス、創造性」等の“非認知能力(潜在能力)”を育むことを保育の最大の特徴としてきました。
- 『自分らしく生きていく』ということは、誰かに何かを教えてもらうのではなく、自分自身の、「こうなのかな?」という気持ちが動機となって一歩を踏み出すことで実現できます。そのためにポプラでは、アクティブラーニングの手法を取り入れ、こども自身が意欲的に活動していくのに必要な『あそび』を提供し、適切な『みまもり(愛着関係の形成)』を保育者と一緒に0歳児から積み重ねていきます。全ては、一貫して『自分らしく』あることにこだわり、自らが働きかけたくなるような環境を設定する保育をおこなっています。大人目線で先回りして答えを与えてみたり、盲目的に知識を刷り込むことはしません。
- また幼児期になると『対話』を通して自分の考えにお友だちや大人などの他者の考えを取り入れ『自己決定』が出来ることを大切にし、自分がかけがえのない存在であり、同じように他者も大切であるという人間関係のキホンを幼少期のときにきちんと身につけられるよう丁寧にかかわっています。
- このようなとりくみが、学齢期に入ったとき、いえ生涯にわたって「なぜ?」、「ためしてみよう」、「こういう考え方もできるんだ」、「私はこれが好き。好きだからもっと知りたい。もっと挑戦したい。」、「むずかしいけど、練習すればできるかも。」、「友だちと一緒に考えてみよう」といった本当の意味での「学びに向かう力」、「自分らしく生きる力」につながっていきます。家づくりで例えると、表からはわからないけど、社会という台風や競争と言う地震にも倒れないような頑丈で強靭な心の土台づくりをポプラでは行うイメージを持ってください。
ポプラでは、ひとりひとりの人生の始まりである乳幼児期にこそ、こうした土台づくりをきっちりとおこなうことが大切で、それが私たちの使命であり誇りだと考えています。